私は過去に、自分の出身校でもある東京芸術大学の工芸科で、教育研究助手として勤務していました。この作品『夢貘』は、生徒が書いた文章ドローイング「夢喰い」に登場する貘を、偶像表現したものです。感動を与えてくれたその生徒に心から感謝しています。
施無畏とは仏教用語にある三施の一つで、衆生の様々な不安や恐れを取り除き、安心させ救済するという意味があります。右手を上げ、手のひらを正面に向けるポーズが施無畏印です。この作品は、そんな意味を込めた壁掛けの子供の仏像様です。
背板に使われている古木材と出会った時、ただならぬ存在感と雰囲気を感じた。じっと眺めているうちに、この木に宿る神様を作りたくなった。
漆掻き職人の方から、漆の採取が終わった木を譲って頂きそれを彫刻しています。鉈で割っていくうちに現れる形と、そこに感じた自分の心象をテーマとして制作しています。