多摩動物園で出会った“オラウータン”がモチーフになっています。しばらく彼に見入るうち、一つ一つの仕草や人間に対する眼差しに、悟りを開いた高僧のような只ならぬ存在感を感じ、そこに湧き出た心象を偶像表現しました。
まだまだ心身ともに成長出来ずにいる中学生年代くらいの子供の内情を、自分の感性で想像し偶像表現しました。
この作品は、2003年制作の〜成〜(カイローン)との連作になります。
カイサーオとは、“ 子供を宿した雌鶏 ” という意味があります。(タイ属ルアンテン村では、生活を支えてくれる鶏を崇拝する文化があり、その成長段階に応じて、尊敬の念を込めた様々な呼び名を付けている。カイサーオとは、その呼び名の1つ)
ある日、電車の中で妊婦の姿を見かけた時、学生時代にチベット旅行で見かけた子連れの雌鶏の姿と重なりました。その時の感動をもとに、子をもつ母の凛とした姿にインスピレーションを得て作った作品です。