2008年のNoel Brillant 展(日本橋三越本店本館6階アートスクエア)で出品した作品です。“ノエル ( Noël ) ” にちなんだテーマという事で、より具体的な雪をテーマにして制作しました。空から舞い降りる雪のイメージで、そこに抱いた心象を偶像表現しました。
テレビのニュース番組で、“都会で生きるネズミ”の特集を放映してるのを見て、自分の中に湧いた心象を偶像表現しました。
雲中供養菩薩のようなご神像を作りたくなり制作しました。仏像と神像の意味と違いについては認識しておりますが、作りたいという欲を優先しました。
こちらも 2008年のNoel Brillant 展に出品した作品です。
ノエル(Noël)とは、フランス語でクリスマスの季節や歌の事を意味します。また、ラテン語のnatalis=「誕生」が語源となっているという事から、私はサンタクロースをテーマにしました。漆の魅力を造形に生かす事を考慮した時に、西洋のサンタクロースと日本の仏像を掛け合わせたような作品が出来たら面白いだろうなと思い、制作しました。
朴の木を彫刻し、そこに日本産木地呂漆を何度も摺り込んで磨きををかけ、蒔絵を施したご神像です。木の目が実に美しく、透けた漆の色彩と木目の美しさの調和を意識して制作しました。
“滔々”とは、物事が一つの方向へよどみなく流れ向かうさまを意味します。
生きる事の辛さや失望、幾度となく心を弄る嫉妬や恨みの感情。それでも自らの心を平穏に保ち続ける 強い意思を持つ事が大切だと、私は思います。何をその眼と心で捉えていれば心は平穏でいられるか。そんな事を考えている時に制作した面です。
この作品は、私の親友であるテノール歌手の志田雄啓氏の東京芸術大学博士時代の研究舞台発表に際して、依頼され制作した舞台登場人物の面です。
氏は現在、オペラ歌手としての生業の中、その研究活動として日本の伝統的文化を根本精神においたオペラの創作も志している方です。邦楽の舞と洋楽のオペラを融合させたような斬新な演出をされていて、学生時代には2002年、2003年にはヴェルディのマクベス、2007年には「王女メデイア」を研究発表として一般公開され、各科の芸大生と共に舞台芸術の新たな可能性を示唆するに至りました。
掲載写真は、2007年「王女メデイア」の際に制作したもので、能楽の能面がその表現のベースになっています。しかし、面を装着することで演者の声がこもったり、能面の原理に基づいた制作では視界の狭さに問題があったりと試行錯誤する中、作り手としてまた新たな価値基準を学ばせてもらった、とても大切な経験でした。